フジパレスシニアコラムページ - 第八話

第8話「頑固でわがままで、幸せな叔母」


あの頑固でわがままだった叔母が最後まで「イヤや!」と言わなかったんです!

独身の叔母はずっと一人暮らしで、これまでは、親戚が交替で何やかんやと世話をしてきたのですが、叔母の体調も、状況も変わってきて、このまま自宅で世話をしていくのが難しくなってしまい、また同時に叔母の認知症も進行してきたため、これ以上の一人暮らしは難しいということになりました。

家族会議をし、いろいろ検討、探した結果、私の働くフジ住宅のサービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」に辿りつきました。

でも、元来、頑固でわがままな叔母は、なぜ高齢者住宅に入らないといけないのか?

すぐには納得できず、理解してもらうまでには、しっかりとした説明が必要でした。

そして、なんとか納得してくれ、入居してもらいましたが、親戚全員が、いつ叔母が「アカン!もうイヤや!」と言いだすのか、内心ヒヤヒヤでした!


認知症と言っても叔母は、体は元気なので、住宅内をアチコチ歩き回ったり、スタッフさんにわがままを言ったり(これは性格かもしれませんが 笑)、本当にご迷惑をかけたと思いますが、私たちが、叔母に会いに行った時にはいつも、スタッフさんが笑顔で、面倒な素振りも全くなく、献身的にお世話をしていただいていましたので、私たち家族も安心していました。

それから約2年半お世話になったフジパレスシニアが、叔母の終の棲家となりました。

加齢とともに、容態も悪くなり、脳梗塞も同時に患い、最後はお医者様から「おそらく、もう口から食べることはできないと思います」と言われ、体の自由がきかなくなった叔母。

でも、若い頃、交通事故で半年間意識不明であったにも関わらず、強靭な精神力で乗り越えた生命力の強い叔母でしたので、私たちが会いに行くといつも、言葉は無くてもニコっとした満面の笑みを見せてくれていました!


そんな叔母の人生の終焉。

葬儀は、10名程度の家族葬で行う予定でしたが、当日はお世話になった住宅のスタッフさんが沢山参列していただき、また、通夜に参列できなかった方々も叔母に会いに来てくれました。

ずっと一人暮らしだった叔母の最期に、こんなに多くの方に会いに来て頂き、見送っていただきました。

「叔母は、この場所で、人生で一番幸せな時間を過ごせたんだなぁ」と、ずっと我慢していた涙が溢れてきました。

でもそれは、別れの涙だけではなく、嬉しさと、幸せな気持ちも入り混じった涙でした。

後日、部屋の片付けに住宅に伺った際も、住宅内は季節毎の飾りつけやスナップ写真で明るくされており、食堂ではスタッフさんと10名ほどの入居者さんが、笑いながらゲームをされていて、 本当に和気あいあいとした雰囲気でした。皆さん本当にリラックスされているステキな笑顔で、あの叔母が最期まで「アカン!」とか「イヤや!」といわなかった理由がよく分かりました。


きっと叔母も、皆さんと楽しくおしゃべりしたり、ゲームをしたり、スタッフさんに親身にお世話してもらったり、きっと私たち親戚にも見せた事の無いような笑顔で、楽しく過ごせていたんやろうなぁ、と思うと、何だか私まで笑顔になってきました!

叔母がフジパレスシニアに入居したことで、「フジパレスシニアは、本人だけでなく、その家族まで幸せにする」という事を体験できました。叔母だけでなく、私たち親戚も救われました。

今回、叔母の入居を通じて様々なことを学ばせてもらいましたが、これからも、フジパレスシニアに入居される方だけでなく、必ずそのご家族も救われ、幸せになれること、 また、そのような高齢者、そのようなご家族が、一人でも増えていくことを、切に願います。