フジパレスシニアコラムページ - 第31話

第31話「メモリーズ~ プレイバック 2020」


未曾有のコロナ。

2020年1月20日に横浜港を出港したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客で、 1月25日に香港で下船した80代男性が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患していたことが2月1日確認されました。

新型コロナは、2019年12月、中国武漢市において確認されています。世界保健機関(WHO)は、2020年1月30日「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。その後、世界的な感染拡大の状況、重症度等から3月11日、パンデミック(世界的な大流行)とみなせると表明しました。


このような状況で、当社では当時160棟のサービス付き高齢者向け住宅を運営し、4500名以上の多くの高齢者の方々が入居されている事から、新型コロナが及ぼす影響について、非常に神経質になっていました。

世間ではマスクやアルコール消毒薬の入手が非常に困難な状況でしたが、当社のサ高住でも同様の声が報告されていました。このような中、当社独自のルートからの情報提供により、幸運にもガーゼマスクを一定数確保することができ、ほんの少しずつですが、160棟全てのサ高住(介護事業者様)に提供しました。

使い捨てマスクと比べ、ガーゼマスクは抗菌シートを併用し、洗濯をして繰り返し使える利点がありますので、たとえ僅かな数であっても有効に活用して頂けると思い、納品後速やかに各住宅へ発送しました。均等に割り当てると本当に少しずつでしたので、さほどお役にも立てないだろうという気持ちもありましたが、到着後すぐに当社の担当者宛てにお礼の連絡やメールを頂いたり、わざわざマスクを手に取った写真付きでお礼の言葉を頂いたりと、私たちが思っていた以上に反響は大きかったと思います。

マスクの次は消毒用のアルコールが枯渇気味になり、こちらも当社の提携事業者様の取り計らいで、アルコールと同等の効果がある次亜塩素水消毒薬の特別販売を実施すると、あっという間に注文が殺到し、納品が2~3週間待ちになりました。

ピンチの時に何ができるか。これまで、地震被害や大雨、台風等による影響で、対応に追われてきた経験が、当社グループの緊急時の貴重なノウハウとして蓄積することができ、初期対応としてはまずまずの動きではなかったと思います。


またコロナ騒動当初は、入居申込数も大きく落ち込むと予想しておりましたが、3月、4月とも、200件を超える多くの申し込みを頂き、例年と変わらないほど多くの方にお申込みを頂いていました。当社の勤務体制は、感染防止と万一の際に備え、時短、時差出勤を踏まえた2交替シフト制での対応をしていたため、通常人員の半分のメンバーで毎日の業務を対応していました。

当然ながら出勤者には平常時よりも相当な負荷が掛かっていました。このような状況でも、大きなトラブルなく業務を進めて下さっている契約事務担当メンバーの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいでした。

テレワーク組も在宅で出来る限りのバックアップで大変助かりましたが、私たちの仕事(運営管理、契約業務)は、対面、対人業務がメインとなり、入居者様、お客様、行政担当者等とのやり取りが必ず発生しますので、感染に十分注意しながら、誠意を持って対応しているスタッフの皆さんには、本当に頭が下がります。

おかげさまでこの2ヶ月間、入居申込みに限っては全く衰えることなく、毎日必ず新しい入居のお申込みを頂ける事には、本当にありがたいと感謝すると共に、あらためて市中の在宅や病院よりも、感染防止策を徹底していたフジパレスシニアの安全性とニーズの高さを実感し、フジパレスシニアへの入居が最良の感染防止対策という気持ちで仕事をしていました。

テレワークになって、時間の使い方、仕事の進め方についても、これまでと同じようなやり方では通用しない部分も出てきました。政府は『新しい生活様式』を示して、国民にその理解と実践を求めましたが、私たちは、仕事をする上でも、これまでと同じようなやり方では通用しないことを理解し、いかに時間を有効に使えるか、工夫する必要に迫られました。

この変化の中で、時間を有効に活用して大きく成長しておられる方もおられました。また、新卒新入社員の皆さんには、これまでの自宅での自習に加え、オンラインでの研修もスタートしました。入社早々に直面した一大事に、その影響は大きかったと思いますが、皆さん毎日元気に、意欲的にオンライン研修を受講し、大変嬉しくもあり、また頼もしくも感じておりました。


2022年夏、BA5種の感染力が猛威を振るい、予断を許さない状況は続いています。まだ今の窮屈な生活スタイルから抜けだすことはできません。私たちはこの時期だからできること、このような経験をしたからこそできることを、これまでの経験からしっかりと活かさなければなりません。

コロナとの共存を考え、新しい生活様式だけでなく、『新しい仕事様式』、ITシステムの更なる活用、DXなど仕事のスタイルも上手く工夫しながら、業務にあたる必要があります。このような時期でも、いや、このような時期だからこそ、多くのお困りの高齢者の方が、フジパレスシニアに希望を持ってお問合せ下さっているということが、私たちにとっても大きな活力源ですので、その期待と信頼に応え続けられるよう今後も頑張って参ります。