フジパレスシニアコラムページ - 第25話

第25話「平均寿命より健康寿命」


みなさんこんにちは!
今年も猛暑が続き、フジパレスシニアへの入居問い合わせも非常に増えております。
1ヶ月ぶりのご無沙汰ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今回のコラムは、「平均寿命」と「健康寿命」について考えてみます。先般の厚労省からの発表から、要点をまとめてみました。


厚労省の2013年簡易生命表によると、2013年の日本人男性の平均寿命は2012年比で0.27歳延び、80.21歳となり、香港、アイスランド、スイスに次いで世界4位となりました。男性の平均寿命が80歳を超えたのは1891年の調査開始以降、今回が初めてです。
日本女性の平均寿命は86.61歳で、2年連続で世界1位。女性は2010年まで26年連続で世界一でしたが、2011年に香港に抜かれて2位に陥落。2012年に再び1位に返り咲いておりました。
平均寿命は死亡率などに基づいて、その年に生まれた0歳児が平均で何年生きられるかを予測した数値で、悪性新生物(がん)、心臓病、脳血管疾患、肺炎等の死亡状況が改善されたことが平均寿命を高めたとされます。医療技術の進歩、良好な食生活や住環境等を考えると、日本人の平均寿命は今後も増えていくとの見方です。
世界各国の順位を見ると、女性は、1位日本、2位香港(86.57歳)、3位スペイン(85.13歳)、4位フランス(85.0歳)、5位スイス(84.7歳)。
男性は、1位香港(80.87歳)、2位アイスランド(80.8歳)、3位スイス(80.5歳)、4位日本、5位シンガポール(80.2歳)となっています。


日本における死因別死亡確率(ある年齢の人が将来どの要因で死亡するかの確率)については、2013年生まれの0歳児は男女とも悪性新生物がトップとなり、その割合は男性が29.38%、女性が20.20%。次いで、男性は心疾患(14.31%)、肺炎(11.76%)、脳血管疾患(8.73%)、女性は心疾患(18.00%)、脳血管疾患(10.26%)、肺炎(10.16%)と続きます。
2013年生まれの子供が65歳まで生きる確率は、男性88.0%、女性93.3%。90歳まででは男性23.1%、女性47.2%。また女性の23.4%、男性の8.1%が95歳まで生きると推計されております。同時に、長寿化による医療費などの増大は不可避で、2013年12月発表の調査では、80~84歳の高齢者1人にかかる医療費は年91万円で、85~89歳では約100万円に増えます。2011年度の国民医療費は前年度比1.2兆円増の38.6兆円に拡大し、国内総生産(GDP)の8.15%を占めています。
厚労省は、医療費の抑制には、健康への意識の向上を図り、よりよい人生を送ってもらうため、生活習慣病の予防などを呼びかけ、病気なく生きられる「健康寿命」を延ばすことが重要課題としている。

「健康寿命」とは、健康上の理由で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを言います。生活の質(QOL)を重視する考え方に基づき、WHO(世界保健機関)が2000年にこの概念を発表しました。わかりやすく言えば、平均寿命から介護や病気で寝たきりの期間(自立した生活ができない期間)を引いたものが健康寿命=何歳まで自立して健康に暮らせるかの指標となります。
例えば80歳まで生きたとして、介護生活が3年、入院生活が2年あった場合は、健康寿命は75歳となります。どんなに平均寿命が延びても、QOLが低いと満足な生活を送ることができません。したがって、平均寿命よりも健康寿命を延ばすことが、より重要となります。


2010年の健康寿命を同じ年の平均寿命(男79.64歳、女86.39歳)と比較すると、健康寿命は平均寿命より男性は約9年、女性は約12年短かくなります。この期間が自立して生活できない年数になります。「健康寿命」と「平均寿命」とは約10年程の差があり、男女差、地域差があることも明らかになっています。女性が男性に比べ、この期間が約3年長いのは、女性が骨粗鬆症や認知症といった疾患に罹患しやすいことが理由のひとつとして考えられています。
また、都道府県別では、男性が愛知、静岡、千葉、茨城、山梨、女性が静岡、群馬、愛知、沖縄、栃木がベスト5、ワースト5は、男性が青森、高知、長崎、大阪、岩手と続き、女性は滋賀、広島、大阪、福岡、徳島と続きます。残念ながら、大阪府は男女ともワースト5に入っております。
ちなみに、世界ランキングでは、男女とも世界1位です。


国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計では、2013 年から2022 年にかけて、平均寿命は、男性は80.09 歳から81.15歳へ1.16年、女性は86.80歳から87.87 歳へ1.07年延びることが予測されており、健康寿命はこの増加分を上回らなくてはならないことになります。平均寿命の延びにつれ、この差が縮小しなければ、健康上の問題だけでなく、やはり、医療費や介護費等の増大への影響が懸念されます。
厚労省では2011年より、国民の生活習慣を改善し、健康寿命を延ばすためにスマートライフプロジェクトを実施しています。しかし、「健康寿命」という言葉が、まだ十分に国民に周知されていないのが実情です。健康寿命の意味や概念を浸透させ、健康づくりに対する国民の関心をこれまで以上に高めることが重要で、今後は国をはじめ自治体、企業、地域全体を含めた啓発活動が必要とされています。


少し重たいコラムとなりましたが、フジ住宅では40年以上に渡り、良質な住宅の供給を続け、2010年からは高齢者向け住宅の供給を開始し、全てのライフステージにおける住まいが整っております。健康寿命の伸長には、フジ住宅及びフジパレスシニアも十二分に寄与できるものと確信を持っております。入居相談以外でも、健康不安、その他お悩みのことがありましたら、ぜひ、お近くのフジパレスシニアか、フジ住宅までお問合せ下さい。