フジパレスシニアコラムページ - 第24話

第24話「高齢社会白書を読み解く」


みなさんこんにちは!

大変ご無沙汰しております。前回のコラムより少し時間が経ち、あっという間に1ヶ月のブランクとなり、毎回楽しみにして下さっているファンの皆様には、お待たせして申し訳ありませんでした。今回の定期コラムは、「高齢社会白書」についてお送りします。

「高齢社会白書」とは、高齢社会対策基本法に基づいて、高齢化の状況や政府が講じた高齢社会対策の実施状況や高齢化の状況を考慮して講じようとする施策について、平成8年から毎年政府が国会に提出している年次報告書です。平成26年版は、「平成25年度高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」「平成26年度高齢社会対策」という2つの部分から構成されています。 第1章は基礎的な統計資料等を用いて高齢化の状況について報告し、第2章は、平成25年度に政府が講じた高齢社会対策の実施状況について、「高齢社会対策大綱」に沿って報告されています。


白書の内容を少し抜粋していきます。高齢化の現状と将来像として、①高齢化率が25.1%に上昇②将来推計人口でみる50年後の日本は、総人口が9000万人を割り込み、生産年齢人口は4418万人、高齢化率は39.9%、約2.5人に1人が65才以上となる。その要因として①死亡率の低下に伴う平均寿命の延伸②少子化の進行による若年人口の減少が考えられる。高齢化の国際的な動向として、①今後半世紀で世界の高齢化は急速に進展し、②我が国日本は、世界のどの国も経験したことのない高齢社会を迎えている。

高齢者を取り巻く世帯については、①高齢者のいる世帯は全体の4割、そのうち「単独」・「夫婦のみ」世帯が過半数となり、②子どもとの同居は減少、③一人暮らし高齢者が増加傾向にある。経済状況については、①暮らし向きに心配ないと感じる高齢者は約7割、②高齢者世帯の世帯人員一人当たりの年間所得は、全世帯平均と大きな差はなく、約7割の世帯は公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%以上である。また②高齢者の所得格差は他の世代と比べて大きいが、縮小傾向にあり、④世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄は全世帯平均の1.4倍で、貯蓄の主な目的は病気や介護への備えとなっている。⑤生活保護受給者(被保護人員)は増加傾向にある。

今後の経済的な備えとしては、①世帯の高齢期への経済的な備えがあると感じている者は約2割、②世帯で受け取れると思う年金額は月額10~20万円が中心③高齢期に備えて必要と思う貯蓄額は1,000~3,000万円が多い、また④高齢期の生計を「公的年金」で支えようと思う人が約8割、健康に関しては、①高齢期の健康に不安を感じる者は7割以上、②休養や睡眠を十分とっている者は約半数。住宅に関しては、①高齢期に住みたい住居形態は持家が多い、また②高齢期に住みたい住居を選ぶ際の条件は引き続き住み続けられること、③高齢期に備えた建替え・リフォーム・転居は日常生活に不便がでてきたら考える。

「高齢化社会」とか「超高齢社会」と言われるようになって幾久しくなりますので、個人的にはどのデータにも大きな驚きはありませんでしたが、あらためてじっくり見てみますと、確実に高齢化が進んでいる現実に間違いはありません。


では、私たちは、今どうすれば良いのか?将来予測を大きく変えるには、政府・国民が一体となって、各施策に取り組むことが重要ですが、その施策も多方面に渡り、相当な時間や労力を要するものばかりです。そして、一番やってはいけないのは、どうせこんなことしても大した変化は起きない、やっても仕方がないと諦めること、だと私は考えます。

私たちシニアハウスサポーターは、高齢者の方が、安心して、安全な環境で、自分が住み慣れた地域で、終の棲家として、サービス付き高齢者向け住宅を選んでいただき、入居者様はもちろん、ご家族や担当ケアマネージャー様、ソーシャルワーカー様にも、フジパレスシニアに住んで良かったと心から感じていただくことが、そして現場スタッフは、入居者様に誠心誠意の対応をさせて頂くことが、最大の使命だと考えています。国全体の動きからすれば、小さなことかも知れませんし、今の高齢化の動きにどれだけの影響を与えられるかも分りません。ただ、今年からは「スマートウェルネス事業」として、高齢者だけでなく、障がい者や子育て世代も一緒になって、安心・健康に暮らすことができる「スマートウェルネス住宅」(=サービス付き高齢者向け住宅)をこの事業の肝として、国が打ち出し、サ高住供給の動きも全国的に加速しております。私たちは大阪府を中心とした限られたエリアでしか貢献できませんが、これが全国的な動きになれば、何らかの、良い意味での変化が期待できるかも知れません。

現在、フジパレスシニアは2,100戸まで供給が完了しており、今年度中には2,600戸超まで供給できる予定です。また、数年以内では100棟3,000戸の体制も整う見込みがあります。正直この規模が社会に対してどれだけの影響を与えられるか分りませんが、大きな責任を負うことには変わりありません。その責任が、高齢社会白書の喜ばれざる予測を少しでも覆し、笑顔に溢れるイキイキとした高齢社会を迎えることができると確信しています。歴史の一ページのほんの数行でもフジパレスシニアが貢献できれば、これほど嬉しいことはありません。どうか皆さん、今後もフジ住宅のフジパレスシニアを応援して下さい。