フジパレスシニアコラムページ - 第20話

第20話「自治体担当者との信頼関係」


サービス付き高齢者向け住宅の制度が施行され、早いもので2年半が経ちました。全国で14万戸の登録がなされ、今年度から登録自治体による『定期報告』『立入調査』の運用も本格的に始まり、当社でも各担当者が連日対応しています。フジ住宅グループでは、大阪府下、和歌山市、兵庫県の一部でサ高住の供給をさせて頂いており、供給戸数で言えば全国的にもベスト3、関西圏ではダントツのNO.1(月刊シニアビジネスマーケット調べ)で、棟数で言えば67棟、供給戸数は2,100戸を超えております。定期報告や立入調査の件数は供給数(棟数)に比例しますので、恐らく当社の担当者は大阪府下ではもちろん、全国的にもこれだけ沢山の調査に対応している者はいないだろうと思えるほどです。

立入調査は、サ高住の登録情報に基づいて、適正に運営がなされているかどうかを、各自治体の住宅部局(国交省ライン)と福祉部局(厚労省ライン)の担当者が、原則毎年、現地に立ち入りし調査を行うというものです。主として建物が用途通りに利用されているか、帳簿類が適切に整備・運用されているかを確認されます。当初は調査そのものを受けた経験もなく、どんな厳しい調査があるのだろうかと戦々恐々としていたこともありましたが、最近はこの調査を通じて、私たちがいかにしっかり運営を行っているかを、自治体担当者にじっくり理解・認識してもらえる絶好の機会と捉えております。

大阪府管轄では昨年からスタートし、今年に入り東大阪市、堺市と本格的に始まりました。大阪府管轄では『高専賃』時代から面識のあるご担当者様で、元々良好な関係が築けておりましたので、最初の頃は『お互い不慣れなこともあると思うので色々と一緒に考えていきましょう』というスタンスで、回を重ねるごとに、『フジさんであれば全く問題ないですね!よくやって頂いています!』と非常に好意的な評価をいただいております。

堺市、東大阪市では独自の登録要件が設けられておりますので、手順等にやや戸惑いはありましたが、結局は『高齢者住まい法』という同じ法律の下に実施されているものですので、最初はお互いぎこちない関係も徐々に打ち解けて信頼関係が構築されてきました。


立入調査からは少し離れますが、ここ数ヶ月で、各自治体様の福祉部局からヒアリングを受けることが数回ありました。これは、サ高住そのものの運営というよりも、老人福祉法、介護保険法に関連することでの聞き取り調査でした。念の為ですが、フジ住宅グループで何か問題があったわけではありません(笑)。自治体の担当者様としては、『何か聞きたいこと、調べたいことがあれば、やっぱり一番最初にフジさんが思い出されるんです。』とのこと。まだサ高住そのものの歴史が浅い分、事例もそんなに多くはなく、各登録事業者からの問い合わせに対して、しっかり回答する必要があるのですが、手持ちの回答(事例)がなければ、できるだけ現場のヒアリングを行った上で、回答しているとのことです。そういった時にフジ住宅のことを思い出して頂き、担当者様は『いつも、すみません。○○の件ですが、ちょっと教えて頂きたいんですが・・・』と大変申し訳なさそうな雰囲気でご連絡を頂きますが、こういった場面でも、フジ住宅の姿勢、フジパレスシニアの運営方針をあらためて知って頂くチャンスと捉え、誠実に対応、回答させて頂いております。


先日もサ高住に関連するある制度の件で、自治体の担当者様より、運用後の状況としてぜひ意見を聞きたいということで連絡があり、対応させて頂きました。本題については率直な意見を述べさせて頂きましたが、自治体の担当者様からは、『フジさんはしっかりやって頂いており、お得意さんですので、安心もしていますし、信頼もしています。ただ、もしフジさんに何かあれば、この地域のサ高住が全部同じような目線で見られますので、大変だとは思いますが、今後も良いお手本として、よろしくお願いしますね』といった言葉を頂きました。

これは当社には大変プレッシャーになりますが、良い意味で非常に名誉・光栄なことであり、その期待にお応えすべき責任が当社には間違いなくあるという意味にもなります。また、このような評価を頂けることは、日頃より日々現場の運営をしっかりやって頂いている現場スタッフの頑張りなくしてはあり得ません。本当に心から感謝致します。


最近では、某高齢者住宅関連の専門雑誌や週刊情報誌の出版社や複数の某新聞社からもサ高住についての取材を受けました。その他、これまで直接的にはあまりご縁のなかった会社様からも色んなご提案を受けることも増えてきました。フジ住宅グループとして特に広告宣伝等を積極的にしているわけではありませんが、サ高住の注目度が日に日に高まってくる中で、登録情報システムを検索すると『フジ・アメニティサービス』の名前が70件以上出てくるわけですので、どうしても目につきます。過去から新聞や雑誌に取り上げられる度に、当社の責任は益々大きくなる一方だと感じておりましたが、最近あらためて強く、そのように感じております。

おかげさまで、満室住宅も増えてきており、全体的にも稼動1年経過後で、90%以上の高い入居率となっております。フジ住宅グループの社内外からも入居に関するお問合せを沢山頂き、実際にご入居頂いて大変喜んで頂いている方も多くいらっしゃいます。

供給が増えていくにつれ、フジ住宅の社会的責任は大きくなってきますが、『責任』という言葉にがんじがらめにならず、今後も、建築して頂いたオーナー様、入居者様とそのご家族、ケアマネージャー様やソーシャルワーカー様、フジパレスシニアに関与する全てのステークホルダーが、『しあわせになること』を最大の使命として頑張って参ります。