フジパレスシニアコラムページ - 第二話

第2話「終の住み処」


「ここは本当にいいとこやでー!!ホンマに天国、極楽や!!!」 私が行くと、いつも笑顔で語りかけてくれました。

2010年4月、フジ住宅が第1号の高齢者住宅をオープンしてからのお付き合いになる、とっても笑顔の素敵なNさん。

当社の第1号の高齢者住宅で、かつ、第1号のご入居者であったNさんは、私もよくこの住宅に訪問する機会も多かったので、Nさんのお孫さんと近い歳の私に、お会いしたときにはいつも楽しそうに、満面の笑みで話しかけてくださいましたし、日々の出来事や色々なことを教えて頂きました。

そんな、いつも元気をいただけるNさんにお会いすることを、私は密かな楽しみにしていました。


そのNさん。今年の春、眠るように、やすらかに、お亡くなりになられました。

現場の管理責任者から、私あてにNさんの危篤の一報が入ったときに、Nさんのご家族から「どうかここで看取って欲しい」との強い申し出を頂いたそうで、管理責任者からも、そのご要望に全力でお応えしたいという思いを聞き、「もちろん、ぜひそうしてください」と答えた事が、まだ昨日の事のように思い出されます。

Nさんも大変気に入って過ごして頂いたこの住宅で、しっかりと看取れた事を、ご家族も大変喜んでくださり、管理者・担当スタッフにも、感謝の言葉を頂きました。 私も、ものすごく感慨深く、この表現が正しいのかどうかは分かりませんが、不思議と、高揚するような幸せな満足感のど真ん中にいる自分をはっきりと確認できました。

Nさんの人生の最期に、フジパレスシニアが、真の「終の住み処」であったことを、心から誇らしく思います。

当時を振り返ると、第1号のオープンということで、開設準備や打ち合わせなどで、バタバタと慌しい時間が過ぎ、日々、未知の業務に対するプレッシャーとも戦っておりました。


おかげさまで、沢山の方々のご理解とご支援のもと、無事に第1号の高齢者住宅がオープンでき、今日まででフジパレスシニアの供給は1800戸を超えましたが、いつも有るのは、自分の親を安心して預けられるか?「終の住み処」となり得ているかどうかという事です。

今でも、各地の住宅に顔を出した際、知っている方が笑顔で声をかけていだけるだけで、本当に嬉しく、日々の仕事に追われ、私の心がどんな精神状態であっても、必ず、パッと明るく照らしていただけます。入居者様は、私にとって、太陽のような存在です。

サービス付き高齢者向け住宅は、世間一般では、まだまだ「終の住み処」としての認識が低いのかもしれない。それは認知度の問題だけでなく、実際の受入れ現場での、生活支援、介護やその他のサポート体制、担当スタッフの意識等、様々な課題があるのも事実だと思います。


ただ、私たちは、Nさんとの出会いと別れを通じて、どうすれば「終の住み処」となり得るのか、しっかりと体現させて頂くことができました。 「終の住み処」・・・その答えは、フジパレスシニアに必ずあると、断言いたします。