フジパレスシニアコラムページ - 第16話

第16話「安心」の意味


フジパレスシニアにご入居をして頂く方には本当に様々な方がいます。

身の回りのことは一人でできるという方もいれば、介助や介護のサポートが必要な方、慢性的な持病を患われている方もいます。

もちろん、フジパレスシニアには24時間の医療・看護の体制や食事を含めた健康管理を行う体制が整っているので、ご本人もご家族も安心して入居をしていただけるわけですが、もう新しい年へあと数日というある年末、ケアマネージャー様からのご紹介で大阪市内のフジパレスシニアにご入居を頂いたAさんがいました。

住み慣れた環境を、また気心の知れた家族、友人、親戚と離れて暮らすことで、一時的に新しい生活に不安を覚える入居者様は結構おられますが、Aさんは、年齢的なこともあり、介助サポートは必要なものの、体調は元気な方でした。

もともと人見知りな性格でもあったAさんは、大人数での団らんを嫌がったり、住宅のスタッフとの会話もあまりせず、ふさぎこみがちになっており、Aさんが早く新しい住宅での生活に馴染めるように、私も心配しておりました。


フジパレスシニアは「自分の親を安心して預けられる住まい」をコンセプトに掲げ、健康管理、24時間の医療体制、料金などの費用面でご家族が離れていても安心して預けていただける体制をとっていますが、「安心」という言葉には目に見えるハード面だけの「安心」ではなく、「入居者様に一人の人間として尊厳のある暮らしをして頂く空間」であるソフト面の「安心」もあると思います。

例えば、食事や入浴など本人にとっては楽しみでもある時間も、大人数で一斉に、決められた時間内に、という介護施設もあります。レクリエーションなども笑いや笑顔の無いまま、マニュアル的に行われているということもあります。


フジパレスシニアは「自分の親を安心して預けられる住まい」をコンセプトにしているのですが、料金面や設備・サービス面などパンフレットに書いてある目に見える点だけでなくて、実際には目に見えない細かな運営においても現場スタッフが、その通りに、忠実に、実践していただいていることに感謝の気持ちで一杯になりました。

言葉で「安心」と書くことは簡単ですが、いざやってみるとなると非常に難しいことだと思います。当たり前のことを当たり前に実践する。

それは私たちにとってもそうですし、実際の現場では、色んなことが起きますので、なおさら難しいことと思います。

料金面だけで考えるのであれば、安く入居できる介護施設もありますが、待機の方も多く、介護度の重い方から優先的に入居されますので、ご家族にとっては介護度の軽い重いではなく、すぐにでも楽な暮らしをしてもらいたいのに、介護度の軽い方がすぐに入ることは難しくなります。今後は、この傾向が、制度化により一層厳格化されます。

また4人部屋であったり、仕切りが薄いカーテンだけだったり、ゆったりくつろいだり、思う存分笑ったりというプライベートな空間は持てないのが現状でもあります。


どんなに費用が安く、設備なども万人受けする仕様であったとしても、その空間で生活していただくことがマニュアル的になっていては、そこに「安心」という言葉が生まれてくることは難しいと思います。

その点で、Aさんに入居していただいたフジパレスシニアのスタッフは、Aさんが心から笑えるように、楽しめるように、新しい生活にストレスを感じないように、Aさんを介護とは別な面でも、必死にサポートしていきました。

他の入居者様との食事を嫌がられたときは、Aさんの部屋で、少しずつ会話をしながら一緒に食事をしたり、あまり人のいない時間に一緒に談話スペースや食堂に行ってまわりの方とお話しをしたり。

「Aさん、少しずつですけど食堂でまわりの人に話しかけたり、会話に入ってきたりするようになったんですよ~!」

「Aさん、同じ階の方に友達が出来たみたいです~!」

とAさんの打ち解けぶりを自分の家族のように喜ぶ住宅のスタッフから連絡をもらうときは、それこそ私も自分の家族のことを聞くように、嬉しく、Aさんの入居から約2ヶ月経ったときには、「鍋パーティーして欲しいわ~、酒が呑みたい!たまにはええやろ~!って言われちゃいました~!」との近況報告もあり、Aさんはフジパレスシニアでの生活を、本当に楽しんでおられました!


最近は、どうやらAさんを含めた「仲良し3人組」で楽しく行動をしているそう。

すっかり変わったAさんの生活ぶりには、やはりずっと心配をしていたAさんのご家族も大変喜んでおられました。

「安心」とはこのようなことだと思います。

入居者様と離れて暮らすご家族は、私たち以上に「きちんとご飯を食べているのかな」「何か不安や心配事、悩みはないのかな」「毎日楽しく過ごせているのかな」と常に心配があるのが本音だと思います。

Aさんにはいつまでも楽しく、元気にお過ごしいただきたいと思うことと同時に、料金やサービス面以外でも、ご家族に「安心」して預けていただける住まいを創り上げていくシニアハウスサポーターの仕事において、これからも精一杯頑張っていこうと、強く思います!